『アトランティスのこころ』 スティーヴン・キング(新潮社) 1999.。・゜☆



キングの作品の中では珍しくホラーではないちょっとSF色の混じった小説。 年を経るごとに表現に凝りすぎてせっかくのストーリーを台無しにしている感のある著者ですが、これはそういったことを感じずに読めます。 中盤からは話の移り変わりが激しくなりついていきにくいということはあるものの、それぞれがよく練られている伏線の役目を果たし、 最後にはしっかりとまとまめられていて読了後はいい意味で虚しい気持ちになれます。 ほんの些細なことでばらばらになってしまう人生の危うさを感じると同時に、 それでも最終的には自ずとどこかに落ち着くものだという暗示からくる余波にこれからのことを考えさせられます。



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